「シャイニングマンデー」は誰が為に鳴るのか?

経産省が「シャイニングマンデー」なるものを検討していると報じられた。

2月の調査では、プレミアムフライデーの認知率は80%代後半と、非常に高い数値を記録したが、実際に行使したのは12%に満たないという。その理由のひとつとして挙げられているのが、週末の金曜はむしろ忙しいという声だ。

スタート直後から言われていたことだが、5年、10年と実施してきた施策ではなく、これまで何十年かかって培われてきた勤務時間の使い方が、そう簡単に変わるわけでもない。ましてや、多くの人が明日から休みという金曜日に、仕事をギリギリまでやってしまうのは仕方ないことだろう。いっその事、休みにしてしまえば木曜日にガッツリ仕事を詰め込むだろうが、半休のような形では昨今の残業は悪との風潮があるとは言えど、なかなか仕事を終えられないのが現実だと思う。

そこで考案されたのが、シャイニングマンデーらしい。月曜日の午前中を休みにして、日曜日遊んだ人は翌日少し遅めに出社しようというものだ。

SNSを開けば、週末の休みが明ける月曜日がくることを悲観する声は、毎週聞こえてくる。そのため、月曜日は遅く出社したいとの意見もよく見かける。そうした声からすれば、この案が浮かんでくるのは自然だ。個人的な観測だが、月曜日は学校や仕事に行きたくないために、新たな不登校や出社拒否が生まれやすい曜日でもあると思う。少しでもそれが緩和されるなら良いといったところだろうか。無理に行かせる必要はないが、精神的に追い込まれてしまうことは避けたいはずだ。

しかし、金曜日の夜がギリギリまで仕事をするのと同様に、休み明けの月曜日は「休み明けにしよう」とする事案が多く発生し、いそがしい人が少なくない。だからこそ、月曜日に行きたくない人が続出する側面はあると思う。

月曜日の午前中は溜まった事務処理などをこなし、週頭の会議をし、午後は取引先との連絡や営業といった流れは、割と自然だ。そして火曜日から徐々に通常の流れとなり、金曜日に向けて仕事がたまり、週末は「明日休みだからがんばるぞ」とギリギリまで仕事する。こうした流れから「じゃあ中間の水曜日あたりなら早く仕事を終えられるのでは?」と考えられたのが「ノー残業デー」ではなかったのだろうか。

正直なところ、シャイニングマンデーが功を成すのかはわからない。経産省が推進していることからわかるとおり、働き方改革ではなく、むしろ経済を回すために日曜日にしっかり遊んでお金を使ってもらおうという考えから来ているので、プレミアムフライデーの二の舞になる可能性は否めない。

しかし、いずれにしてもこれまでの「社畜バンザイ」な世界観から、日本が解放されようとしていることは喜ばしいことではないだろうか。高度経済成長を遂げたのは、社畜の功労があって外ならないと思っているが、時代は変わっていくし、AIが発達していく中、人間という肉体を酷使していく必要もなくなっていくのだろうとすら思っている。だから、こうした案が出てくるのは個人的には喜ばしいと思う。

しかし1点。日曜日は夜になると遊べるところが少ないので、まずは飲食店や行楽施設といったお金を使う先がシャイニングマンデーを実施し、日曜日も週末のような充実を図ることではないだろうか。もしかして、そもそもこの案はそういうことなのか。

黒宮 丈治
1978年生まれ、福岡県出身。書き手・編み手・企手。30種以上の職を渡り歩いた後、フリーライター/プランナーとして活動開始し、現在は編集者としても活動。ライターとしては取材記事を中心に、エンタメからビジネスまで幅広く執筆。