「エアコン病」問題はどこにいったのだろうか

猛暑を通り超し、酷暑が続く。まだ7月も終わっていないというのに、今年の夏は異常的な暑さだ。

私は日頃、室内で仕事をしているため、エアコンの恩恵を受けている。体感的にあまり暑さを感じずに過ごしいるが、それにしてもエアコンをここまでフル稼働させているのも珍しい。

この炎天下、熱中症で倒れる人が相次いでいる。未成年の就学児たちが、学校やスポーツクラブの指導のもとにいながらにして、次々と熱中症で担ぎ込まれ、命を落とすケースもあるようだ。

こうした情報が連日報道される中、「昔はこうではなかった」との意見が出て、それに対しての検証記事が飛び出す。過去も同様に暑いこともあっただろうし、決して今にはじまったことではないといった声も多く囁かれる。しかし、仮面ライダーRXで怪人が作り出した人工太陽が、摂氏38度の気温にしていたことを考えると、連日38度を超える今は、過去には予想もしていなかった暑さであることがよくわかる。

こうした話の中で、学校のエアコン設置についての議論が活発化している。

地元では、私がまだ高校生ぐらいまで、ちょっと裕福な私立高校以外は、エアコンが設置されていなかったと記憶している。小中高と過ごした学校では、エアコンがあるのは、大人がいる場所ぐらい(職員室にあったのかは記憶が確かでないが、大人がいる場所には何かしら設置されていたように思う)だったように記憶している。

今はかつてよりも、公立校でエアコンが設置されているケースも増えた。そのため、設置されていない学校が、槍玉に挙げられているのだ。

熱中症は、ちょっと暑さにやられた程度ぐらいに思っていた頃に比べると、今はどれだけ危険であるかは、よく知られたことだ。健やかな生活のために、エアコンを使うことはむしろ推奨したい。

そもそも大人も、屋内の仕事であれば、エアコンが無いことのほうが珍しいくらいだ。クールビズが始まった頃、エアコンの設定温度に関して色々言われたが、科学的根拠がないなどと、最近はそちらも特に何も言われなくなった気がする。

そんな時代だ。子供たちだけが、勉強しながら加熱処理される必要性はどこにもない。予算の問題などを早々に解決して、快適な環境を手に入れて欲しいと願う。

しかし、少しだけ疑問なのは、かつては「エアコン病」などといっていた、エアコンの中で生活することに対しての健康被害的な話は、ここのところあまり言われなくなった気がする。これは、どうなったのだろうか。

暑さにも耐えられる体=健康というのが、おそらくは炎天下のもとでスポーツをさせる指導者の根幹にある気がして仕方ないし、実際私も今でもあまりエアコンにあたりすぎないように、暑いなかで過ごしてみるといったことを実践し、健康に配慮しているつもりになっている。

エアコンの設置は、つけることも消すことも両方できる選択肢を手に入れられるとして、とても良いこと。しかし実際にエアコンがあっても、電気代が云々で全く使わせてもらえないといった話もある。

実は風通しもよく、気候も涼しくてエアコンがあまり必要でない場所であるかもしれない可能性もあるのに、エアコンをつけさせない=悪としているものばかり目立つのもいかがなものかとも正直思う。しかしいずれにしても、無理につけないのは設置した意味がないので、使ってほしいと思うばかりだ。

で、エアコンによる健康被害はどうなったのだろうか?

熱中症になるくらいなら、冷房をつけたほうがどう考えてもよいが、エアコンは体を弱くするといった話は、どこにいったのか。私達はもしかして、昔も今も誰かに騙されている可能性は否めない。

 

黒宮 丈治
1978年生まれ、福岡県出身。書き手・編み手・企手。30種以上の職を渡り歩いた後、フリーライター/プランナーとして活動開始し、現在は編集者としても活動。ライターとしては取材記事を中心に、エンタメからビジネスまで幅広く執筆。